雨脚を切り裂いて あの娘はレイニーアート 多分で傘をさす 紫陽花の色彩になって 秒針の道ずれを皮肉で濡らす 帰りの案内を思い出す改札と かくれんぼの仕草で口ずさむ黒髪が 哀愁の言いなりさ 間違えて間違える 夢現の合間に水滴の人影だらけ かたがってる少女の映像 レイニーアート 抗ってる私の純情 レイニーアート あの娘、不鮮明 まるでそう、 レイニーアートだってさ 私だけ物憂げになっても あどけない表情の中 雨が降る 雨脚を切り裂いて あの娘はレイニーアート まだ私なら逆さま、虚ろだって 極まった幻想の狂言ね うんざり、曇天だけなら 必要ないから 今すぐ明日に攫って あの娘、不鮮明 まるでそう、 レイニーアートだってさ 私だけ物憂げになっても あどけない表情の中 雨が降る いくつ数えても 雨に謳っても ひとつも動かない街で いずれ傘をさす レイニーアートの色は ただ透明さ