歯がね抜ける夢を見た ぐらぐらおはよう今日の世界 蝉がうるさくてけどねけどね 枯れかけの肺で這い出るベッド 木曜おはよう陽は足りていた この世界にはうらとおもてがあって たまにどちらにいるのかを 見失うけど 夏の昼間に 見えるはずのないオリオンが 二人の目の前にゆっくり降ってきて 冷たい汗をただ流したまま 僕はこれをいつもの夏だと思った 合言葉はミサイルみたいに熱で 溶けてた 合鍵はプライドみたいに 相槌はノイズみたいに 大切なものはきっとここに 置いてゆくんだ 君の瞳の中には 冗談みたいに星があって 星座みたいで それをそれを僕が見上げて寝転んで ぼろい汽車にのって旅をしたんだ 言葉にはうらとおもてがあって たまには逆を言うこともあるんだ 夏の昼間に 見えるはずのないオリオンが 二人の目の前にゆっくり降ってきて 冷たい指を握ったまま 僕はこれをいつもの夏だと思った