一、二、三、四、五、六、七、八、 九つ 足りぬ首並べて数えませう ほぅら、十の首並べて…あれ…? 人里離れて 二股に分かれしその 道の先は 嗚呼、 尸の群 此の世、後世も 無限地獄と… 一、二、三、四、五、六、七、八、 九つ 足りぬ首並べて数えませう 七つの子抱えて逃る嫗へ 焼け爛らむ赤き空は 黒い煙に燻され (コノ首ハ、イズコヘ…) 探り渡る首無し地蔵の群 ※何処ぞとしれぬ童子、 戯れに我の首を… 何れにても、誰ぞあらむとも、 許さるまじき…※ 戯れに蹴り落つる此の首 何処へ…十のうち一つが… 童子と言えども 召し返しけれ… 一、二、三、四、五、六、七、八、 九つ 足りぬ首揃えて数えませう 千切れた飛沫を背に浴びて 噎ぶ嫗、 踵を変へ、深山へと帰り渡る十の影 はこべや、はこべと…