別れを惜しむのは 別れを知るからで 別れを告げるのは 貴方の影に惑わされないように この手を伸ばしても 掴めない袖口に 想いを馳せるのは わたしが弱いから 抱き寄せる柔い温もりは 反射板のように繰り返す 感情の行方は宙を舞い ただ 静かに眠るだけ お願い このまま ねぇ このまま 明日を迎えたくはないから そう このまま この時間が 繰り返されれば いいのに 嗚呼 このまま もう このまま 去りゆく季節に先越されて わたしはまだ この時間に 取り残されたままだ 微睡む影は彼方先へ 願い願えど止まらない 移り変わる景色と波間模様 変わらないものはただひとつだけ わたしの稚拙さと思い出だけ いつまでも 縋るような心の弱さでは 忘れられないのだろう 苦しみ続けるのだろう このまま ねぇ このまま 眠り続けて夢の随に そう このまま この時間に 漂うだけの人生だ このまま もう このまま 季節という名の海に沈んで 深く深い 水底まで ゆくよ お願い このまま ねぇ このまま 明日を迎えたくはないから そう このまま この時間が 繰り返されれば いいのに 嗚呼 このまま もう このまま 去りゆく人の波に越されて わたしはまだ この世界に 取り残されたままだ 夢の中へ 逃げてしまおう 呼吸(いき)も忘れて