どうして僕ら 地平線から連れてきた 掠れた足跡に 瞳を奪われてしまうの? それよりずっと 奥底のほうに刻まれた 思い出たちがそっと 胸に潜んでるんじゃないの? 目を上げれば 街並みは変わっていても 彩りは失われてなんかない 気付いてたんだ 過ぎ去ったんじゃなくて 息を合わせて 歩いてると 翡翠の波うねれば 幼さとさよなら 淡いだけの季節で また逢いましょ ありふれた景色の先で どうか未来を視てきてよ 萌したんだ 今 扉を潜れば ペトリコールの香りと 虹のアーチのむこうで 雨露が煌めいてる レンズ越し覗いた風景は 暈けているけど 不確かなままでいいから あざやかでいてよ いつの間にか 行き先を違えていても 幸せであるように願っている 知っていたよ その瞳はずっと 思い馳せて 生きてきたと 翡翠の風 手繰っても 確かなさよなら 残り香だけの春が すり抜けてく 美しい虚しさだけを どうか憶えていたいから 萌したんだ 今 翡翠の街で踊れば 本当のさよなら 淡いだけの季節で 見守ってる ありふれた景色の果てで どうか未来を視てきてよ 小さな芽が ほら 萌したんだ 今
