霞んだ瞳でも 眩さが透けている 子供のように恐れたまま きっと思わず背けてしまう それでも 熱は醒めないまま 深く灼き付くだけだ 綺麗なままで 今 違えてしまって ありふれた幸せに 埋もれてしまったとしても 忘れたことだけを憶えていてね 途絶えた行く手には 滲んだ淡いヴィジョンだけ 盲いた魂に 今 確かに脈を打つもの 土塊の中から芽吹き出す春 潜めた瞬きでさえ 溺れてしまうのだろう 自惚れたままでいい 夜明けを騙って まだ 古い傷跡は もう 隠さないままでいい 道導は 遠く東の空に 両手を強く結んで 瞼の裏に願うの 言の葉に縋ってしまわぬように 噤んだままで眠って 美しいシリウスになる 続きは楽園で語り明かすの おやすみ
