古びた水槽の魚を見つめては、 小さく咲う 幼気な君の唇を知ってる。 君の髪の先 君の手の形 今となっては 僕の心臓の淵をつねってる。 水槽少女に触りたい。 水槽少女を咲わせたい。 水槽少女を 抱きしめたいのに何もないよ。 君を見てたこの目が痛い。 君と見つめてた海が痛い。 どこを探しても君はいないのだ ねえ、ずるいよ。 あの日の信号が僕の脳裏をよぎる。 呼吸を重ねて君をなぞったが、 気持ちよくもないな。 水槽少女に触りたい。 水槽少女を咲わせたい。 水槽少女を 抱きしめたいのに何もないよ。 君を見てたこの目が痛い。 君と見つめてた海が痛い。 どこを探しても君はいないのだ ねえ、ずるいよ。 君がなにを、 なにをしたって言うんだ。 君がなにを。 水槽少女はもういない。 水槽少女が僕を汚す。 水槽少女を 抱きしめたいのに何もないよ。 黄ばんだ世界の上、 僕の手だけ拒んだ君が僕を忘れ、 僕だけ今でも君を探してるよ。 ねえ、待って。