やっと止んだ夏の雨は まるで私のようだと、 無理に晴れた空にどうも 蝉が寂しそうに泣いた。 自分のやりたいことも 分かんなくなって、 気づけば、 一瞬で私は冬になっていた。 もしあの日、 私がわがままを言わなかったら? もしあの日、 君に出会っていなかったら? 隣に君がいなくなって やっと分かった。 枯れてから水をやったって、 花は咲きはしない。 感傷的になった私を止めて。 最初から分かっていたんだよ。 アイスクリイムのような 冷たい記憶の中の君を辿れば、 季節が変わるから。 私の築いた美学に 私が殺されそうなので、 路地裏の電灯さえ 私のことを睨んでる。 街は私の全部を叱るように賑わい、 私だけ一人夏の中、もがいてる。 快感を求め、 それがいつのまにか終われば、 いつだって、 私は白昼夢に浸るのだ。 何回夢を見れば 君に会えるだろうか? 髪も爪も唾液だって 全部知っているんだ。 内包的に奪って、 感情的に奪って、 感傷的になった私を止めて。 最初から分かっていたんだよ。 アイスクリイムのような 冷たい記憶の中の君を辿れば、 季節が変わるから。