思い出した あの朝はそう 匂いがした 君が作る 割れた目玉焼き 腫れた瞼をなぞった手 優しい目をしていたね 思い出した あの夜はそう 匂いがした 君が作る たぶん嘘の話 後になって気づいていくんだ ちゃんと見ていたのに 君のマグカップについた コーヒーの跡 絡まる記憶が解けてまた 結ばれてしまえば 誰にもぶつけられない奥で痛んだ 気持ちに言いたくない「おかえり」 思い出した あの傷はそう 私のようで 君が作る 無駄な 愛の仕草それに騙されてしまうんだ バカだって言われても 知らない時間まで信じていたのに 底から黒く染まった 君のマグカップについた コーヒーの跡 消えなくなるまで重ねたようね この場所を使って 言えないなら消してよでも強く 擦って綺麗になっても 嫌いなの知ってるよ 君がコーヒー嫌いなの知ってるよ