茜色 微かに塗す雲間に 日没が ささくれ立った地上を照らす 故に人は木々になり 故に人は土になる 過ぎ去りし業の徒然 砂漠の竪琴 火花を潜って生き延びた人 窓辺にもたれながら 佇んで筆を置き 末路哀れな時を思う 空廻り 果てに力尽きるまで 荒れ狂う かつての都市で身を潜めてる 故に星は麗しく 故に月は満ち足りて 芳しき風を感じる 砂漠の竪琴 この絵巻物を誰に伝える 栞に花一輪 錆びついた電線路が傾いて列を成す 丘に 届く 響く 声と 歌と 祈り 願い 地を継ぐ者 砂漠の竪琴 置き去りの夢を記す伝書に 繋いだ その奇跡を 唯ひとつ結んでは 凛と向かう旅の終焉