柊 揺れるように 心もざわついたまま どこか気もそぞろ 昨日までの自分がもどかしい 散りばめた逸話の欠片が 過去も未来も 全部支配する いつも 目覚めるたびに 違う誰かになれたらいいのに 冬枯れの寂れた街の中 通り過ぎる日々は埃みたいに ささやかに舞いながら 風向きが変わる季節ごと飛ばされて あなたを探すように 漂いながら 透明な空気になる ひとりぼっちで この空に浮かべて 繋いだ まっすぐな雲 悲しいくらいに澄んだ 蒼いキャンバス 広がる 雨上がり 日差しに すべてが溶けていくよう 淘汰されてゆく 光 その一筋を 遠く見ながら 百の影を知る 冬枯れの寂れた街の中 手に入れたすべての 愛しい気持ちが まぼろしに変わる頃 公園通り ただ立ち止まる 茫然と 視線を戻しても あなたはいない 少しも慣れていない ひとりぼっちに 冬枯れの寂れた街の中 通り過ぎる日々は埃みたいに ささやかに舞いながら 風向きが変わる季節ごと飛ばされて あなたを探すように 漂いながら 透明な空気になる ひとりぼっちで