ひともじ… ひともじ… 筆がものがたる ひともじ… ひともじ… 私のものがたりの ことはじめ 「……行くぞ。 敵の狙いはここじゃない」 「おーい伽羅坊、 手紙はいいのかい?」 ひとふで… ひとふで… 筆がえがく ひとふで… 私のこころ ひともじ… ことはじめ ひともじ… ひともじ… 私のこころ 私のものがたりの ことはじめ… 大河の中 埋もれることなく 幾千の言葉に宿る その想い その生き様… 「…… 狙われたとしてもおかしくはない… か?」 幼き折、片目失い この心眼(まなこ)が向くは内ばかり だが知った 筆一つで繋がる 筆一つで広がる 筆一つで拓ける 筆は、 刀に勝るとも劣らぬ