時計の針が空を向いた時 月明かりが僕に向かって差して 刺して僕を慰めるように 白い海の中に消えていった 左回りする時計につられて 鮮明に蘇った君は透けて でも本当にその時を過ごせている そんな感覚だった テレビの前でポツリ 寄り添いあった2人 そんな映画を見ながら 広くなった僕の部屋が 窮屈に僕を追い込んでく 最後にもう一度僕は 触れたくて触れなくて 濡れた髪を揺らして 海の上に浮かび上がった 君にいつか会うよ また 君はきっと違う海に旅に出て 傷もとっくに癒えてる頃だろう だからまだ此処に居る僕は 門出を見送るよ 君がここに残していった 百合なんかよりもずっと 綺麗に咲いていた 輝く月に似た君は 触りたくて触れないまま 黒い海に還っていった バラバラに散らかったフィルムを 手繰り寄せて じゃあ、また