行間 (feat. 知声)

歌詞

月並みな 言葉一つに意味をあてがって 繰り返すレコードの針が溝を 滑っていく 進まない本の一頁 滴り落ちた時間 名前も 付かない感情に 優しいキスをねだった タバコの灰が落ちても 燻らない愛憎が 言葉にした途端に熱を帯びて咲いた もう分からない 何も分からない 台詞をなぞった数だけ嵩んだ 灰色の花にさえ酔いが回り 指先から傷が増えていく 耳を澄まして喉を鳴らして 貴方のことだけ夢見ていたいんだ 変わり映えしない夢 その続きを 貴方ならどう興じて吐き捨てるの 命をすり減らす音が脳裏に焼き 付いて 当たり前に過ぎた環状線 乱暴な揺れが目立った 稚拙な帯に滲んで見落とされた 心象が 遅効性の毒のように胸を焼いて 塞いだ もう変わらない 何も変わらない 溶け合う仕草が何一つ掴めない 腹の奥 肥大した希死念慮を 切り落とすにはもう遅すぎた それでもまだ混ざりたいんだ 乾いた雫を見失う前に 余りある余生を使い潰して わずかな綻びを探している もう痛いんだ 胸が痛いんだ 綴った言葉が頭を蝕んだ 台詞の合間に巣食う傀儡が 善意の隙間を媒体とした 意味を汲み取って深く頷いて 分かりあうばかりが救いじゃないと 幾重に絡み合う蜘蛛の糸 心は遠く 言葉は苦く されどどうしようもなく叫んでいる