糸を引くよな水無月の雨 アジサイの花が濡れそぶる 通りがかりの蛇の目の傘に 胸震わせて立ち止まる いつか見たよな名古屋 帯締め 白いうなじにかかる雨 季節を重ね花街いれども 君のゆかしさ奪えない 後ろ姿に声かけず 駒下駄の音を遠ざかる 雨はむらさき 君はむらさき 雨はむらさき 君はむらさき むらさきの人 苔むす岩に静けさおる むらさき淡いアジサイに とぎれとぎれの想い出集め 冷たい別れ蘇る まつげの先にあふれる涙 ほつれた髪をかき上げて 記憶か細い君を無くし 死ぬて悲しい雨の糸 尽きせぬ想い残り香も 跡形もなく消してゆく 雨はむらさき 君はむらさき 雨はむらさき 君はむらさき むらさきの人 雨はむらさき 君はむらさき 雨はむらさき 君はむらさき むらさきの人