袖口のグレイビーソースを拭って 染みになる前に叩いて擦った 窓際に干しておこうって笑って 雨が降りそうだからって走った 穏やかな曇りの空を愛した 忙しない君の生活に慣れて 落ち着きを取り戻していったのは 僕の方で 溜めていた服とシーツを回して 君はいつも深い息を吐いた おざなりな部屋の空気が淀み混む 今日 雨音に隠れて 無理して笑ったり それでも溢れたり 間違えたままでも 無理して笑ったり それでも溢れたり 冷めきったパスタを フォークですくって エンディング前に汚れを落とした 録画した第三話だけ観たって訳が 分からないんだって それでも 鮮やかに街の光が灯って ふらついた君の肩を抱き留めた 弾んでしまった胸を 悟られない様にして 最後に見送った華奢な背中 ちくりと刺しながら弾む胸は 多分きっと ずっと ちょっと痛いままだな 見逃したドラマ あらすじの隙間 受け止めるべきだった シーンがそこにあって 雨音の陰で啜った鼻音 腫れた目を愛しいと思いたかった