騙されてくれ あなたはあなただけの主人公よ 起き抜けの脳に無理やり流し込む ヒットチューン 旱魃した喉を伝う水道水が甘くて 憂鬱のフリーズドライをゆっくり 溶かしこんだような朝に 化け物みたいな劣等感で栓が閉まる でもね君はきっと大丈夫 これからもきっと大丈夫 根拠なんてないけど 金なんてもっとないけど 幸せになる気はある 騙されてくれ 多少のズレを埋める必要は無い それは誇るべき君の価値だ 騙されてくれ 君にはこんな醜い世界を見て 欲しくはないんだ 誰だってノートの最初は 綺麗に書きたがるもんだ 見栄を張ることを恥だなんて誰にも 言わせやしないよ 僕が特大の恥を 置いてけぼりにしておくから それを見て笑っていてくれ あなたが救われるために 返事を聞かずに切られた 電話口みたいな 誰にも受け取られずに吹きこぼれた 一言が部屋に響いた 心を拒まれること それが何よりも怖いこと だからこそ僕は味方だよ ほんとは口だけなんだけど 騙されてくれ この世に救いの言葉はひとつも無い それを信じられるか否かだ 騙されてくれ もうこの言葉は信じられないかな… 大人になるって体が 大きくなるだけのことじゃない それに体だけ大きくなった僕ら 気付いた 誰にも理解されない君を 理解してあげたいんだ 何もそれは善意と 悪意のどちらでもなくてさ 僕らが騙されたいのは精神論でも 理論でもない 他の誰のものでもないこの僕らの 持論だ 「騙されるな」 と言う声に騙されないで 騙しておくれ 起き抜けの脳に無理やり流し込む ヒットチューン こんな日常も確かに幸せだ