N:Kが目を覚ますと、 見慣れない場所にいた。 電源の入っていない アンドロイドたちが 壁一面に整列をしている。 様々な部品が巨大な ベルトコンベアに乗り、 回っていく。 その周りにはうつろな目をした 裸の男たちが 驚くべきスピードで流れ作業をくり 返していた。 K:なんなんだここは。。あれ? あそこにいるのはタケシか? 素っ裸じゃないか。。おーい! タケシ! ・・だめだ聞こえてないみたい。 あ、あれ? あれは前の会社にいたモリモトか? ちょっと待って。 それどころか、 あのロン毛センター分けのひと トレンディードラマ 俳優の田口洋平だよな? その隣、 企業買収でおなじみの若手起業家 マツエモンまでいるじゃないか! 一体ここはなんなんだ? 皆裸でヘソをケーブルで繋がれ、 一心不乱に部品を組み 立てている。。 P:お目覚めかしら? K:あ!ぴんぴんちゃん! 一体ここはどこなんだ? P:ここはさっきまであなたがいた 遊郭ビル 「フライングハウス」の地下よ! K:どうしてこんなところに… P:あら両国国技館の地下にも、 大きなやきとり工場があるのよ。 知らない? K:そういうことじゃなくて。。 みんなこんなところで 何をしてるんだ? しかも裸で ケーブルにつながれて。。 P:ふふ。 ここではね、 香港で安く仕入れたアンドロイドを 加工してるの。 日本で最後の仕上げに髪や 皮膚をくっつければ、 メイドインジャパンとして高く 売れるから。 あんたのパートナーも、 どうせアジアの量産型よ! K:いや、うちの妻は北欧製だよ。 P:へぇー馬鹿ね。 そんないいパートナーがいるのに、 こんな安物のアンドロイド 遊郭に来ちゃうなんて! P:とにかくこの 「フライングハウス」 の秘密を知ってしまった人間は 一生ここでアンドロイドの組み立て 労働をしてもらうわ! K:だからみんなあんなことに…… P:大丈夫。がんばればご褒美に 「ベベダイーム」してあげるから。 気持ちいいわよ。 すぐにみんなあたしの 「ベベダイーム」中毒になるの。 そしたらもうなにも考えずに、 一心不乱に組み 立てだけするようになるの。 ほら。 あの田口洋平ですら、 もはや自分の髪型が 七三分けになっていようが 気が付きゃしないんだから! K:そんな! あのセンター分けが トレードマークの田口洋平が 七三になってても、 気が付かないだなんて! P:さあ。私に服従を誓いなさい。 K:絶対に嫌だ! 田口洋平はセンター 分けじゃなきゃだめだろ! 僕は絶対にそんな 風にはならないぞ!