白く白く咲いた花が 北の国の雪の中 ひとり寒さを 耐えているのか 南へ向かう私に 淋しそうに微笑んで きっと忘れず いて下さいと 何色にも染まるな 美しい花よ 君のために歌う 聞けよ青い空 赤く赤く咲いた花が 旅に疲れた私を 鮮やかな情熱の 国へ誘う いつしか恋におぼれて 心すさんだ私を 君は今でも 待っているだろうか 一陣の風が告げた 花の香りに 北の空を見上げ 頬濡らす涙 やがて春が訪れて 雪解けの水とともに 雪割草は 命を終える 北へ帰る私の手に 届いた一枚の文 君が帰らぬ 人となりしと 乱れ散る風花さえ 心を染めて 君のために祈る 聞けよ青い空 君のために歌う 聞けよ青い空