二階のサドも今日は手を休めて 祭りの流れに優しい目をしている 今夜 熱気球が浮き上がるこの空を 道行く誰もが見ている 見ている 日暮れの気温は神様の気分で 時に夕映えにもスコールにもなった 両腕を組んで 雲の色を読んで いつも操縦士は風を待つ 溢れ出す人波をすり抜けて 息も棘も耳を掠めた その中で君のことだけを思い出す 風が変わる 舞台を踏んで シールド差し込んで その軽い響きで歌う者に変わる 母の手を引いて立ち尽くす子どもが 次押さえるコードを見ている 見ている 迫り来る夕闇を待ち侘びて 人の影に声も埋もれた それでもまだ君のことだけを 思い出す 何かが変わる さあ火をつけて 膨らんでみせて 見えない力で気体を動かして その胸に絡まる重りは投げ捨てて 翔る鳶となれ 風は来ている 来ている ここまで来たこと 君を信じたこと 次立ち止まっても 悔やんだりはしないよ 今夜 熱気球が浮き上がるこの空を 次押さえるコードを皆見ている 見ている