歪んだ寵愛を受け育った少女 白雪の肌に 陰りある瞳 心を持たぬ人形のよう 失意の闇に抱かれて 覚醒(めざめ)始めた 月夜に咲いた狂気は 檻の中で爪を突き立て 視界を紅く染める 非道の亡骸を引きずって 開け放った 初めての自由へと 揺り籠で眠った穏やかな記憶と 残虐な悪夢 全て埋めましょう 夜風に吹かれ 掘り起こす穴 二度と還らぬ 穢れた血を分つ者 月夜に咲いた魂 誰も知れず 閉じ込められて 奈落の底を漂う 悲劇の物語 覆し 少女は云う 「永遠に左様なら」 小さな手を 紅く染め 箱庭から 抜け出した 血色の花 咲く頃は 逃避行の旅の途中 終わりなき物語 ーー 土の中で眠った 彼女だけの秘密 ーー