油に塗れた大都会 下らない自意識で埋まる世界 意味もなく朽端りかけてる航海 誰も居ない暗がりに問いかけ 一人 わざとらしく 遊戯会 行き場ない 言葉を重ねて 祈りを連ねた 緩やかに朽ちていくここで 焦がれた空に帆を提げ 静かに指を指し 「それは一握の砂のような道のりさ この街を 僕は」 開け放って何も持たず 旅立つわ 朝焼け混じり夜空向こう濁るイデア 何かになれるための借り物じゃあ 形にならぬ 歪な思いを乗せ 荒れた路をゆけ あなたとの理想を 壮大な機構から吹き込んだ 風に逆らいそのまま 誰も見えぬ日々を旅して ああこのまま何も知らずに 無垢なまま生きてたい 真面目なあなたと 唯々 愛し合っていたい 登る太陽は何処? 夜の果て見えぬ海に広がる嘘に 怯えて震えて息の仕方も忘れた たおやかに 枯れてゆく時に 態とらしく影を重ねて 静かに 背中に突き刺さる ノイズをこうして 焼き払って 孤独のまま 旅立つわ 影の裏側 左手に宿るイデア 幕切れの向こう側飛び込んだ どうせならもう ありのままの僕を 飲み干して 流る彗星 揺れる軌跡 乞う水平線の導き そのままで そのままをなぞり 宵に浮く波のざわめき 風に舞う愚かな奇跡 0と1の向こうに 僕は行きたい 夢の中鳴り響いた あの声が この体に 不可思議な 揺れを起こす 僕らの旅は ぐねる ぐねる ぐねる ぐねる こんな曖昧な 世界で 開け放って何も持たず 旅立つわ 鈍色の空 雲の向こうに広がる 醜い僕が描いた世界を君と歩いて 荒れた路をゆけ 長い旅の果てはまだ ぞんざいに続く 悲劇を喰んで 風に逆らい そのまま 誰も知らぬ日々を愛して