高架橋のすぐ側のバスに 今乗っている 君が明日の午後四時半に 校舎の屋上で 濡れた髪を解き 片っぽの靴を揃えて 裸足のままで飛び落ちた そんな夢を見た後で酷い胸騒ぎです だけど今日も擦れ違うばかりで 夏の袖を摘んで口をついた 君はなんて顔をしたっけ 泣いてたのかな 泣いてないかな なんて事すら 何も知らないまま 大人しい熱の中で 潮風を吸い込んで咽る 震えた瞼だけがあの君を透過して 爪先で雲の切れ端をなぞる度に 瞳は君を追い駆けた そんな日々の余命 これがもしも本当ならば 君は今に底から飛ぶだろう 根拠なんて無かった だけどこの手は 君を掴んで放さないや 泣いてたんだね 泣いてたんだよ なんて事すら 君は知らないまま 月が綺麗ねと遠く笑う 君が待ったバス停で サヨナラを知りたくなったら こんな夜の話をしようか 君がいて僕がいて夏めいてずっと