「届かなくてもいい想い なんてひとつもない。」と 僕は夜明けを待つ。 夏風が続いていく。 「あの日の涙さえ 空に咲らうまで。」 紙飛行機にして 投げた詩 。 「 忘れないで。」 「優しい君を傷つけて 回る世界が苦しいんだ。僕は。」 夜明けを待つ。 瞼の裏 流れてく。 一輪花の影。 今も握る袖。 指先。 寂しさに触れたこと。 「忘れないで。」 夜明けまで ただただ眺めていた。 涙色。洗いたての空は綺麗で。 意味なんて これまでもこれからも きっとこんな夜を繋ぐため。 「忘れないで。」 その翼で 明日も追い越して。 「僕のままで良かった。」 なんて。 「今更だね。」 「ほら笑って。」 ここは雲の上。 君は絶えず晴れ。 ドラマチックな世界を 期待していたんだ。 全てひっくり返すような 展開に憧れて。 誇れない過去の記憶。 いつも痛むばかりで。 後ろ向くことさえも嫌う 理由になっていた。 「そんなうまく行かないさ。 それが人生だ。」 って割り切れるほど 大人でもなくて。 今日もそんな僕を詩だけはいつも 通り写して 世界が回り出すその夏風を 待ってる。 ドラマチックな世界を 期待していたんだ。 だけど全てひっくり返すような 展開なんかじゃ グラデーションに変わる 空の愛しさや きっとこの世界生きる 君に出会うこともなくてさ。 劇的ではなく、 道を確かめるように。 愛おしいと思う日々を、 抱きしめるように。 ひとつひとつ 足跡に間違いがないのは それこそがの僕らの咲らう 理由だったから。 「前を向く誰かを傷つけて 嗤う世界が悲しいんだ、僕は。」 夜明けに背く。 否定の歌 叫んでも 寂しくなるばかり。 僕らただ信じることが怖かった。 それだけなんだ。 忘れないで。 「届かなくていい想い なんてひとつもない。」と 僕は夜明けを待つ。 夏風が続いてく。 「光なんてないよ。」 「そんなことないよ。」 紙飛行機にして 投げた詩 。 「忘れないで。」 「涙の跡さえ抱きしめて 明日へ向かう君を 世界の暗がりが 隠そうとするなら 僕が 一点の曇りもなく どこまでも続く 君の夜空まで 歌うから。」 「忘れないで。」 夜明けまで。 何度でも 咲らいかける 君は綺麗で。 意味なんて これまでもこれからも ずっとこんな空を繋ぐため。 「忘れないで。」 その翼で 明日も追い越して。 「君のままで良かった。」 なんて。 「今更だね。」 「ほら笑って。」 ここは雲の上。 僕ら絶えず晴れ。 言葉なんて、 疑うもので。 「だけどそれでもね」 歌う接続詞で、 届け。 届け! 指先放て。 拓く雲の上。 想い絶えず晴れ。