食卓の隣 長く続く段差は 悪い夢のような 腐った木の匂い 赤いラベルのついた 蓋を回して開けたら パンのふちからそっと溶かして 口の中で散らばる湿気った粉屑は 一人隠していた希望まで乾かす 何の役にも立たない 無価値な歌だけが 僕の方を向いて首を傾げてる 素知らぬ顔しながら 優しい人を憎む 歪んでいく心ごと 消してくれないか 踏み台でできている階段の頂上で 錆びついた銀色が 僕を見下ろして 心は遠い過去にたゆたうガラスの瓶 流れ着くことのない波間漂って 今できることなんて 恥の上塗りだけだ 意識さえ 眠るように透けてしまえたら 息をするだけでは足りなくて 誰かの後ろに並ぶ僕も ああ 本当は何にもなりたくないんだよ ただ一つ痛まない心が欲しいだけ 死神がタップして 僕に手招きをする 骨のような 細い腕が 弧を描いてる 諦めたその後も 続くから 惨めだと 歌う僕を 彼だけが冷めた目で見ていた 素知らぬ顔しながら 優しい人を憎む 歪んでいく心ごと 消してくれないか 踏み台でできている階段の頂上で 錆びついた銀色が 僕を見下ろして