教室の片隅で陽を浴びた机は 今も傷付けた 僕の落書きがある 誰にもわからないように 小さく刻まれた 淡い恋の歌 まだここに残ったまま 髪を結わいた君と イタズラなだけの僕 黒板を見つめてる 君の顔 僕は知らない 君の背中いつも追いかけてた ただの友達のような顔で 笑って 君の事をいつも見つめていた どうにもならない僕の 片想い 新しい桜の時 僕は就職した 君は大学に 髪を下して通った 汗と油にまみれ 疲れた帰り道も 変わらずその背中 人ごみの中で探した 背筋を伸ばして改札を出た 君が嬉しそうに手を振る 誰か 声も掛けられずに走り出した 僕の知らない笑顔を 避けるように 重なる制服と春の風 時は移ろう 君の背中いつも追いかけてた わざとはしゃいでた放課後の校舎 卒業の日の君が見せた涙 誰にも渡らぬボタン 暮れていく空 君の背中いつも追いかけてた 何度もノートに名前を 書いた 君の事をいつも見つめていた 想い出はこの手の中 今もそのまま