三叉路へ戻って

歌詞

薄汚れたポーチの糸が音を立てて 千切れて 放り出された、食べかけのパンと すっからかんの水筒 石畳を打って鳴らした空虚な騒音は ずっとずっと奥へ呑まれた ここは迷宮 とりあえず、そうさ、足を進めよう 何処へ続くかは知らないが 愛想笑いで繋ぎ止めて また漂う、無粋で緩慢な情 差し当たって、僕ら、 行く当てもないが 壊れたコンパスに頼って 暗がりを松明で照らして 二人で淡々と道を歩いた 言葉はがらんどう、茶を濁して、 曖昧 薄汚れた心の糸が音を立てて 千切れて 放り出された、嗄れかけの声と すっからかんの愛憎 あなた目掛けて打って鳴らした 空虚な騒音は ずっとずっと手前で落ちた ここは迷宮 虎の穴前にして、足が竦んだ どこまで行ったって二人に ナイフで刺す勇気はなくて 冗談言ったって、手に触れたって すり抜ける、まるでホログラムだ、 曖昧 とりあえず、そうさ、足を進めよう どの道を来たかわからないが 雑な相槌で繋ぎ止めて また漂う、無骨で怠慢な情 あの日、 手を取り合った三叉路へ戻って やり直そう、なおざりだった 在るべき互いの明日を 床にばら撒いた、ポーチの中身と 諦めた言葉、その全てに 火を放って、僕ら、頷いて、 じゃあね 壊れたコンパスを砕いた 嘘みたいに呆気なかった 二人の迷宮を荼毘に付そうや 焼け落ちる外壁と退路 魔法が解ける淵、手を振った 別々の出口で陽を浴びて、バイバイ