君を回想すると、背景はいつも夜 方袖を伸ばして 隠してた左手の甲 足りないのは、袖と思いの丈 朝際、 終わる夜を引っ張って伸ばした 引き留められはしないから 街は青みがかって 察した街灯がほら 融解点を待つ 周回遅れになって映す 余らせてた左手の 袖が間延びしてく 夜が終わらないように ぎこちなく伸ばす指が 冷ややかな夜の空気に晒されて 悴んで 掴み損ねてばかり、夜の裾 揺らめいてロングスカート 1分後の解像度 伝わるものも伝わらない夜 乱反射 チラつく街灯 喧騒が故のムード 名作が有耶無耶にさせた 書き留められはしなかった 星は深呼吸して 際限のない暗さに 光沢を残す 周回遅れになって映す 掴んでいた右手の 熱が逃げていく 夜が終わっていくように もう一回 もう一回 頼りない後悔は しじまに消えて 最終回 恋とは言えないささやかな想いだわ 夜だけの明るさが好きでした 伸ばした袖で隠してた言葉 夜明けの気配、白けるから 言い訳にして夢を見るよ 君を回想すると、背景はいつも夜 方袖を伸ばして 隠してた左手の甲