何かを言うことで その他が言えない 何かを見ることで、 その他が見えない 何かをガバッと掴み出し 何かが少しはみ出す 何かをグッとつまみ出し 何かを外に掃き出す 言葉は入れ物、言葉は箱 言葉で示した 後 残る跡 言った、言わない ただの 線引き しかない ここから ここまで どこまでが 言葉で どこからが外側か 感じられるか 言葉から 言葉で傷つけ 言葉で癒す 言葉じゃ足りない 言葉で満たす 言う 言う 言う 人は物語でしか物が語れない 人は物語でしか物が分からない 神様を描く物語 生き様を描く物語 組み立てられた嘘ばかり 全ては空想の中に 四歳児より前の記憶は 言葉のはるか手前の肥沃な 世界の大地 広がる視界に 手を広げても 抱けない未来に ラベルを貼っては小さくまとめる 箱の中に小さく囲ってる 気づけば中は空っぽなのに 並べて何かを語ったことに なってる ハマってる わかってないことがわかってる 滑舌 よく 語ってる 中身がいつのまにか変わってる すり抜けていく スっと すり抜ける 突き抜けていく 空へ 突き抜ける 言う 言う