「愛と、少しのメロディを。」 それはいつか貴方が言った、 明日の僕を繋ぎ止めた言葉。 それだけで僕は良かった。 「愛と、少しのメロディを。」 それはいつか貴方が言った、 私をそっと抱き締めたあの言葉。 それだけで私は良かった。 からからの心残してばらばらの 僕等に 明日からどうして生きて往けと 言うんだ? 貴方が居なくなった場所に誰が花を 植えるんだ? 枯れてしまった、砂と化した、 この薄暗い日々に、 愛と、少しのメロディを。 貴方を思い出せない程度の麻酔を。 そして明日を生きる希望を。 夢はもう要らない。要らないよ。 「愛と、少しのメロディを。」 それはいつか貴方が言った、 今の僕の首を絞める言葉。 それならば知らなきゃ良かった。 だらだらと過ぎ去る 日々をはらはらと散る花に、 いつからか涙を流すことも 忘れていた。 貴方が居なくなった場所に光が差し 込んだ。 慣れてしまった私が居た。 この薄暗い日々に──。 愛と、少しのメロディを! 貴方を思い出せないくらいの夢を。 そして明日を生きる希望を。 麻酔は要らない。要らないよ。 貴方を忘れない。忘れないように、 愛と、少しのメロディを。