真夜中の入り口 不意にぶり返した孤独 流せなかった涙の溜まり場深く 哀しみ用のコップで掬って 僕は静かにそれを眺めた 水槽 深層世界 ここには僕と僕しかいない 思い切り叫んでみる 声はいつもより響き渡る 誰にも聞こえない 僕にしか聞こえない (明日ははるか遠くて) (昨日を追い出されて) (狭間で膝を抱えてる) 青に呑まれる (ウラ オモテ またウラへ) (ぐらぐら 思考は揺れ) このまま 泳いでいたい 眠れない 終われない 今日が散らばるように 浮かんで 沈んで 文字がひしめくよ 閉じ込めてた 言葉 僕を囲んだ僕が まわる まわる いつまでも続くんだ まるで一生のような一日 へとへとに僕は疲れ果てて 空白を求めた ノートの上 頭の中はもういっぱいだから 手が追いつかなくてもどかしい 早く 早く 心を書き出したいのに 本当を言いたくて 推敲 水響 僕をなぞって 僕を綴って 倍速で流れた日々 振り落とされないようにただ夢中で そこで見たもの 聞こえた音 空の色 理解するにはまだ時間が必要で 正しいのは誰 間違ったのは誰 ふたつにわけられなくて 一緒にいたいと思った 僕はそのすべてとともに いたいと思ったんだ (進んでは戻る道で) (見つけたはずのこたえ) (今日はもう照らしてくれない) 白紙に戻る (ウラ オモテ またウラへ) (バタバタ反転して) 最後に残ったもの 絶え間ない 隙間ない 時を並べ幾年 埋もれた叫びが 追いかけてくるよ 浮き輪にした言葉 必死でつかまりながら まわる まわる 僕を離さない 青に呑まれる このまま 底のない きりがない 深みへと転がって 記憶の波間に 見え隠れした そっと紡いだ言葉 この手で繋いでた まわる まわる 僕を抱きとめて 耳を塞いだ 静けさの中で 心臓の音だけが僕へと確かに響く リズム 弾む 振動する波 僕をかこむ まなざし 声 冷えた体に熱が戻ってくる 僕は知っている どこへいけばいい 僕は知っている 運びたい想い 今日生まれた言葉 届けにいかなきゃ 明日を願った