長針と短針の間 60度 クローゼットの横で ほんのりと電灯をつけて 物思いに耽る君を見てた さよならと手を振った 君の顔が忘れられなくて ずっと 強すぎた執念が ボクをここへ呼び寄せたんだろう 本当は立ち去りたい ここまでする気はなかった 「ホントはナニがしたい?」 誰かがボクに問いかける 揺れる カーテンと 夜の風 紛れて込んで居よう でも一度だけと その頸筋に 吹きかけた息 自分を 置いて来てぼりにした 幻 三本指で押さえてた B5ノートに自分の痕跡を じっとり探している ボクはここで何してるんだろう 本当は諦めたい 食い破られていく感触が 「ホントにコレがしたい?」 誰かがボクを問いつめる 滲む 汗と巡る街 夢のような色 もう二度とないと その黒い淵を覗くしかない 自分を置いて来てぼりに していた 軋むマットレスと欠けた月 雪崩れ込んだ青い囁きの中で その無力さに屈するしかない 自分を置いて来ぼりにしたんだ 揺れる カーテンと夜の風 紛れて込んで居よう でも一度だけと その頸筋に吹きかけた息 自分を置いて来てぼりにした 幻