そぼ降る小雨に レンガが濡れる あなたとよく来た カフェテラス 風吹く窓辺に 席を取り 語った 笑った 一番素敵な時代(とき)だけ過ぎて 私の人生 ガラクタばかり そう言いあなたは さびしげに 顔を伏せました 何気ない 六月の午後 帰らない面影が よぎるよ とめどない 追憶の日々 今でもなぜか 会いたくて ドとレが軋んで うまく鳴らない 古びたセピアの ピアノの上に あなたが残した天鵞絨の 布をかけました やるせない沈黙の夜 繰り返す あなたへの慕情は あてもなく しじまに消える 今でもなぜか 泣けなくて 風渡る 夢のあとさき 時の階段 降りながら 僕は行く あなたのいない 明日に続く 長い道 今でもなぜか 会いたくて