今俺がハンドルを右にきれば終わる ⼈⽣があって でもそれをしないのはまだこの 世界に未練とかあって そう⾔えばお前とまだ 酒飲んでなかったな ビビらなくてもいいぜ、 俺らもう⼆⼗歳なんだぜ ⾃分が死んだら悲しむ⼈の数 指折り数えたら ⽚⼿で事⾜りて、 なんだか少し虚しくなる 友達は数の多さなんかじゃないのに 揺られてしまう⼼は正直なんだ 別にいいじゃないか ほっといてくれよ、 俺は俺で⼿⼀杯さ 愚痴は垂れるけど俺の愚痴は ⾔ってくれるな 仕事疲れた、 もう働きたくないを 正しいとしてやるさ 何も⾔うなよ、 これは俺の中だけの話だ 不倫がどうとか世間がどうとか 俺に関係なくて でもそれを⼈⼀倍に気にしてる ⾃分とかあって 昔拾ったパリパリのエロ雑誌は キラキラ光る 宝⽯のはずだったんだけどな それでも俺らさ 霞んだ⽬を擦って妄想を繰り 返すのさ それをやめたら、 もう死んでしまいそうだから ⼦供の俺が俺に託した夢をまた 未来へと託す 六⼗五の俺なんとか 頑張ってくれよな 諦めて捨てて、また拾って壊して 背負うものなどないくせに 体に残った⼀番惨めな 俺がまた顔を出す 別にいいじゃないか ほっといてくれよ、 俺は俺で⼿⼀杯さ 愚痴は垂れるけど俺の愚痴は ⾔ってくれるな お前と歌った、 なんてことのない歌を少しだけ ⼝ずさむ 懐かしいけど、 俺らまだ⼆⼗歳なんだぜ 笑っちゃうよな ⾚信号に気付かない俺の前 おっさんが横切った 急ブレーキを踏み、 交差点に怒号が響く そう⾔えばお前とまだ 酒飲んでなかったな 焦らなくてもいいぜ、 俺らまだ⼆⼗歳なんだぜ