吸い込む息が 胸を満たしていく 夜はまだ抜けないだろう 行き交う街と 擦れる音が ただ響いていた 際限ない日々の中で あぶれた青い目には 沈む夕日の深いオレンジが そっと染まっていた 向かい風に足を取られて 『動けないよ』とこぼしそうになっ ても 何でもない空を見上げいていた どこまでも青い空をただ睨んでいた んだ 聞いたような声が 空に消えた 見えない街の隅から 小さく聞こえた 目をつむれば そばにあった まだ覚えている 届かない 届かないんだよ 声も上げず 空に投げたんだ 『まだ届かない』と