なぜ、あの日のことが 刺さったまま離れない それでもまだ癒えない 傷がこの肌を苦しめていく 仮初めの言の葉が ぽろり落ちてゆくの 確かに見ていた この深い穴の底藻掻いていた 唯何かに怯えて 刻が過ぎゆく頃を待っていた ・・ こうなることが定めか それとも ・・ 止まらない抑えきれない邪 この疑懼の念が 情緒の明度すら奪ってゆくのだろう ほら 業病、騒めいて滂沱 溢れて満ちることない 「もしも」がこの精神腐らす 呪文でも温度も記憶も 全部流れてしまえたらいいのに 確かに見ていた 隙間から漏れい出た望月まだ 何かに喩えて その実を知ろうとすらしない侭 誰かをずっと 描いていたような気がしていた ・・ 堪え切られない想いを 抱いたまま ・・