藍染の空の下 ある村に娘が生まれ 一人きり身寄りもなく 昼と夜と働き続け 愛を知らないその瞳に 誰が明かりを灯すのか 燃え盛る焚き火の火だけが 娘の未来を映し出す 知らず知らず覚えていた 村人の奏でる音を 繰り返し踊りに合わせ 軽やかにステップを踏む その姿を見れば誰もが 心打たれ小銭を投げた また一日生き延びられる 娘は今日も一人で踊る ある朝の静けさに たまらなく町へ出ると 道端ですれ違う 若者と恋に落ちた ほとばしる情熱を胸に 初めて感じたそのときから さめざめと涙が止まらず 娘は旅立つことを決めた あくる日もその次も 若者は娘を探し 村人に尋ねても 誰一人名前も知らず 子供たちが周りを囲み 娘が教えた踊りを踊る 悲しみと強さに溢れた ジプシーの娘の心だった ジプシーの娘の心だった