目に見えるもの 手に取るもの 一つ一つが 無数の針となって 重力が消えたから その針は突き刺さる 僕なんて嘘だ嘘だ嘘だ 空に浮かび上がる この身体を繋ぎ止める 錘を僕は知りたいのです 吐息の色は紫 体に空いた穴から 「お前はもう誰も愛せないよ」と 骨が震える音 かじかんだ 指の先で刺した刺した刺した 雪のプリズム 夢なんてみれなくとも やわらかく生きたい やわらかく生きたい やわらかく生きたい (学生寮の灯りも消え 構内は静まり返っている 僕はモミの木に積もった雪をみて) 自分の頭を払った 「払った」
