君とは一度だけキスした どちらからともなく 一度だけキスした 試して試されて どちらからともなく 君とは会わなくなった 君とは会わなくなった 部屋のあちこちに 君が隠れているよ 油断できないな不意に泣いちゃうな タクシーの中で手を握ったこと ただの幻か 背伸びした唇でまた失敗した 君は昔流行った歌をつまらなそうに 口ずさんでいた これ以上近づくな そう言われた気がした 工業地帯の光が君の横顔を流れて 君の瞳はしっとりと濡れた鏡 わたしの光みたいだね君は もう直ぐ夜が明けるね 叶わない思いだから引きずるのかな じゃああの時どうして ちゃんと拒んでくれなかったの 背伸びした唇で結局君を失って それでも短いまつ毛が君をとらえて 瞳が離さない 光が遠ざかる どんなに手を伸ばしても