骨伝導した音だけが 聞こえている 持て余した床の木目を 数えている 僕の体温と同じ温度の枕を 抱き寄せて 知りもしない愛への批判論を 温めていた 無理に伸ばした 人差し指爪の先を 目一杯不自然に群衆へ伸ばして 誰か気付いてくれないか、 傷付いてくれないか そういうことばかり 考えてしまう 触りたい 触られたい 愛したい 愛されたい身体と 逃げたい 隠れたい 目も合わせられない心が 並び絡み 噛み合ってしまっているのに どうにも錆び付いて動きやしない 幸せが遠退いてく晴れ 何もかも終わらせたような 小宇宙を濡らした雨、雨、 雨が描いていく 君の泪が僕の肌を伝うことすら 嫌になる 奪われた体温、 そんなものは初めから無かった 体温計が示す数字は誰の 平熱なのだろう 与えられないことは もう気にならないけど やっぱり少しばかり 寒かったりしたんだ 触りたい 触られたい 愛したい 愛されたい身体と 抗いたい 分かり合えない 刺し違いたい心が 寂しいね、 今更どうしようもない 寂しいね、 今更どうかしたくもない 幸せが遠退いてく晴れ 何もかも諦めたような 小宇宙を渇かした風、 風が描いていた 君の声が僕の耳を通る様な 幸せを拒んでいるまま 何もかも終われば良いんだ 小宇宙を濡らした雨、雨、 雨が描いていく 君の泪が僕の肌を伝うことすら 嫌になる 君が泪で僕を殺せるほど 錆び付いていく 僕は、錆び付いていく