重りを解いたら さあ行こう 読みかけの文庫本を ポケットに詰めて 冷えきった空気の今朝に 僕らはどうして心地よいこと ここの地下に下水道が 流れているんだよ 今夜うまく潜り込んだら 洋服に火をつけて焚き火をしよう とおい季節のできごとを 僕らはいつまでも忘れないでしょう 色を変えて 葉を落として 明るい日が来るでしょうと 君は耐えているけど 少し痩せた体をくねらせて 必死に何を伝えるの 萎れた栞を僕に手渡すと 小さな子どもが走り出した ぼくらみんな友達だったよね 今は背を向けて歩いていくから 色を変えて 葉を落として ビルが立ち並ぶ そのうち 明るい日が来るでしょうと 君は耐えているけど 少し痩せた体をくねらせて 必死に何を伝えるの 萎れた栞を僕に手渡すと 小さな子どもが走り出した ぼくらみんな友達だったよね 今は背を向けて歩いていくから 生まれたての手を握り返す僕らは こんなときもあったと思い返すよ