いつの間にか辿る隘路 ぬめり気のある風を掻き分け 気づいてしまった あの日から何も変われずに 生きてたことを すっかりあいた胃の中 吸い込む朝の酸素 明日こそは燃えないゴミと 一緒にして捨てようかな それとも 道徳的な処理を施されても 非合法的な精神が残される 君の声を僕はもう 思いだせないんだ 君の記憶が僕の声を いつまでも離せぬよう 歌うしか無いんだ 忘れてしまわないように 記憶を擦り抜けてしまわないように 言葉選び よく飲むジュース 使っていた安い香水 そのすべてを 定点観測のように去年の自分と 現在地点の相違点を探していた 君の消えた理由なんて 真昼の月みたいに見えないや 君の消えた世界なんて 暗くて曖昧で 一人で歩けやしないんだ 君のいちいちを 取りこぼしたくないのに 君の声だけ響かない 続かない 戻らない 誰か思いださせてよ 君の声を僕はもう 思いだせないんだ 君の記憶が僕の声を いつまでも離せぬよう 歌うしか無いんだ