窓際に日を浴びて、 ミントが茂りました。 何か冷たい飲み物を拵えて、 お待ちしています。 昼下がり 蝉の声 脳の中の雑念が ソーダ水に洗われて 爽やかな風を迎える 君の生活が靡いて 風化されてできた部屋は 眩しい慈しみに満ちている そのベッドに髪を浮かべて BGMに映画を 何度も観たやつにしよう 甘い匂いが呼び寄せた 知らない虫を名命けよう そっとインクを垂らして 滲んで意味が生まれてゆく それは体を 張り巡る血管を思わせた ラムの刺激が強くて ミントが負けちゃったみたい 芳しさを爪に塗って 今夜だけは剥がさないように そっと鞄にしまった 君の部屋の文庫本 その代わり読みかけの文章を 埋め込んだ あの頃からちっとも 変われず此処に居るね 君の生活が靡いて 風化されてできた部屋は 眩しい慈しみに満ちている そのベッドに髪を浮かべて 君の生活に酔いしれ 淘汰されて消えた理想は 眩しい慈しみに欠けていて その程度に愛を靡かせ