滑稽なただ無色透明な 光景が雨音を立てた 煤けたレコードと 欠けた到底無い空事を歌っていた 感動が胸を砕くのは 感情が夢を壊すのは 才能無い者の弱さと知れていた 問うた、祈った 綺麗な物を壊して回った 船の底で気化した不安や余計な物を 「生きている」としていたい 綺麗なものを歌いたいのだ 死んだ事だけが全てじゃない 知らないものを歌いたいのだ そんな事書が統べる世界 夕暮れに思案 僕は白痴の天才 褪せたマゼンタ 忘れかけた僕は白痴の天才 怪獣が街を壊したよ 怪獣は街を焦がしたよ 感動で夢が喰えたらいいのにな 怪獣が街を直したよ 怪獣を街は倒したよ 感動で夢が喰えたらいいのにな 脳をよぎった 不快な風を縫って走った件の彼は 言った 「僕は君の事を許してあげたい」 綺麗な物に意味は無いのだ 喪に服す事は綺麗じゃない 想いの果てに君は居ないのだ 夜が明ける頃は嫌いじゃない 夕暮れに思案 僕は白痴の天才 饐えたマゼンタ 忘れかけた僕は白痴の天才 僕だけが歌う街で 僕だけが嫌う街で 拙い言葉 飾らない街 夜毎増す熱 献花の灯火 儚い言葉 履かれない靴 泣き濡れた君 桜下の篝火 綺麗なものを歌いたいのだ 死んだ事だけが全てじゃない 知らないものを歌いたいのだ そんな事書が統べる世界 夕暮れに思案 僕は白痴の天才 血に溶けたマゼンタ 忘れかけた僕は白痴の天才