ソファの隅 あなたはスマホを見てた 私はテレビの音で 気持ちを紛らわせてた 声をかけようとして やめた 恋人って もっと近いと思ってた なんでもない顔して ちゃんと寂しかった なのにあなたは 何も気づかない 隣にいるのに どこよりも遠くて 届かないってことが わかってしまった夜 抱きしめてって言えたなら 変わったのかな ねえ 私たち ちゃんと恋人だったのかな 買ってきたワイン あけずに眠った夜 あなたの寝息だけが 部屋に静かに流れてた 背中合わせの距離が だんだん 心の形になっていった どうして笑ってるのに あんなに切なかったんだろう あなたの横顔がもう もう見えなかった 一緒にいるのに ずっと独りだった ふたりの温度が すれ違ってた夜 さよならよりも苦しい 無言の沈黙 ねえ あのとき あなたはどこにいたの 言葉じゃない何かが欲しかった ただ 目を見てほしかった 恋人って 愛してるって たぶんそういうことじゃないよね 隣にいたのに 気づいてもらえなかった 触れられないほど 離れていたのは心 あなたの隣で泣いたこと 気づいてた? ねえ いちばん遠かったのは たぶん この隣だったんだ