箸にも棒にも 微妙に引っかかるから ガラスの靴の最終選考 結果を待っている 継母と娘は 正しさを知ってるだけ。 棄てられた犬は 懐かなきゃ意味がない 去りゆく魔法使いが 舌をもつれさせ 光る【それ】を フェアリーゴッドマザーが消えた 「おまえに靴は似合わない」 と吐き捨てて 「今宵一夜、 あのように愛してくれ」って そう言って カボチャの馬車を踏み潰した。 女王と召使いは やるせない気持ちだけ。 棄てられた犬を 鏡が映したから 去りゆく悪い魔女が 舌を舐めながら 光る【それ】を フェアリーゴッドマザーが消えた、 ガラスの靴はとうの昔、 彼女のものだった。 「どうしたって この不幸は、愛せやしない」って そう言って毒林檎を噛み潰した。 夜は煌々、 黙って腐って死んでしまった 右往左往、どこ見てんのかいや? 首を切って頭垂れさして、 ところであんた誰さ 指をさして「後の祭り」 もの足りない? フェアリーゴッドマザーがたとえ 消えても 私の靴は私が履き慣らす 「今宵で最後、 御伽噺が息を殺す」って そう言って 彼女は 女王の席に腰掛け、 「まばたきすら億劫」 と夢を見ていた。