小さな上映室で 僕らはいつも一人ぼっち 擦り切れたフィルムリール から、から 空回りする 破れた銀幕の上 僕らただ戸惑いながら 何十、何百、 何千回も繰り返すシーン ねえ僕ら、化け物になって 世界を壊しつくして 悲しいことを、こんな定めを 君を、僕を、壊そうとしていた 小さな上映室で 僕らはいつも一人ぼっち 同じ筋書きの映画 から、から 空回りする 空っぽの客席の上 僕らただそこに座って たった一度焼きついたまま 離れないシーン ねえ僕ら、沈没船に乗って ニ人は手を取り合って 確かめたなら、息も忘れて 深く深く潜ろうとしていた 海の底も、赤い街も、僕らの記憶も 本当も嘘も、曖昧になりながら ねえ、僕は 君をおもうんだ ねえ、何度も 君をおもうんだ スクリーンの上 はにかみながら わらう、わらう、わらう―――― ねえ、僕は君に会いたくて ねえ、何度も手を伸はすんだ スクリーンの上、記憶の中で ゆれる、ゆれる、ゆれる エンドロール