君というパーツを無くしたこの街は 何の誤作動もないまま 動き続けている 私にだけ与えられたこの空白が 今日も私を起動して 名前を呼ぶ 君は言う "まるで僕は使い古された 歯車と同じなんだよ" 寂しそうに言う "錆び付いて次第に動きも鈍くなり 新しい誰かと 取り替えられてしまうさ" 君がいないこの世界で 君の鼓動を感じている それはね 私の中で回る歯車の ひとつとして君がいるんだ 代替品はどこにもなかったよ 私は この空白を愛してみる 私は言う "花はやがて枯れてしまうこと それを知りながら人は なぜ悲しむのでしょう" "失った悲しみを憂い出逢う人など どこにもいないんだよ" そう 君は言ってた 君がいないこの世界で 君の鼓動を感じている いつかは 君のいないこの街に 私も慣れていくかな 君は言うでしょう "それでいい それがいい" 喜びも悲しみさえも 君がいないと意味がないんだ わかるかな わかるでしょう 君にとって私がそうで 君がいないこの世界で 私に何ができるだろうか 応えはない それでいい また何回も語りかけるよ 名前を呼んで この空白を愛してみる