ここから始めよう 夏風に揺れる木漏れ日が光った ボリューム上げれば 弾む鼓動に合わせるように 流れるいつものミュージック どうしたんだい 随分と浮かない顔して 困ったようにただ笑う 君を見ていた どうしたって言葉に ならないみたいだ その手を引いて 気付けば走り出していた 戸惑う君と息を切らして 下る坂道 寄せる波の音 夏はもうすぐ 広がる青空 君のブルーまで飲み 込んでしまえよって どこへも行けそうだ 二人なら怖いものなんてないはずさ 明日のことさえ知らない 未完成な僕だけれど ただ君と歌っていたいんだ 荷物は少ない方がいいらしい 大事なものは瞳に映らないから 財布は置いてきた 地図は捨ててきた 「どうせ読めやしない」 そう言うと 君は呆れてた くだらない話を飽きるほどしようよ ありふれた、でも当たり前じゃない 僕らだけの物語をさ 熱を帯びる風が 君の頬を撫でる こぼれ落ちた雨を 波が攫ってく 何も言えず僕は もう一度君の手を 強く握り締めて 青に飛び込んだ 痛みも悲しみも 全てこの海に 溶かしてしまいたいんだ いつかはこんな日も 少し沁みる傷も 君が愛おしく思えるように 広がる青空 君のブルーまで飲み 込んでしまえよって どこへも行けそうだ 二人なら怖いものなんてないはずさ 明日のことさえ知らない 未完成な僕だけれど ただ君と歌っていたいんだ