陽炎の摩天楼 ガラスの森の中 彷徨えば 行先に見るだろう 繁栄と虚飾の残骸を 空耳にこだまする 開場を報せる鐘の音 思惑と駆引と 狂瀾の舞台の幕が開いた 闇に投じたコインの表裏を当てる 不条理なゲーム 虚ろに映した空蝉の影さえ 過去に溶けて見えない 欲望を喰らう市場 灼かれし者達の魂すらも 野放図に肥大した 迷宮の出口を誰も知らず 砂に埋もれた砂金の在処を探す 非合理なゲーム 浮かされ魘され渦巻いた時代の 熱は冷めて返らない 移ろう値が生者と亡者を分かつ 理不尽なゲーム 乖離に顧み見えざる手すがれど そこに神はもういない 夢と消えた跡形